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【読書】「水車館の殺人」を読みました

綾辻行人
初刊、1988年講談社ノベルス 464ページ
新装改訂版2008年講談社

【目次】

1.あらすじ

仮面の当主と孤独な美少女が住まう異形の館、水車館。1年前の嵐の夜を悪夢に変えた不可解な惨劇が、今年も繰り返されるのか? 密室から消失した男の謎、そして幻想画家・藤沼一成の遺作「幻影群像」を巡る恐るべき秘密とは……!? 本格ミステリ復権を高らかに謳(うた)った「館」シリーズ第2弾、全面改訂の決定版!

引用:
水車館の殺人 (講談社文庫) | 綾辻 行人 |本 | 通販 | Amazon

2.読書感想(ネタバレあり)

読んだ方にしか意味がわからない表現を選んでいますがネタバレありです。
館シリーズの二作目。一作目は未読です。やはり刊行順に読んだ方が面白いとのことなので一作目もいつか読みます…


過去と現在の描写が交互に繰り出され、過去パートでは当時起こった事件の回想、現在パートでは過去の事件の推理が綴られていきます。
時間軸がごちゃごちゃにならないか心配でしたが意外と大丈夫でした。それよりも冒頭にある館平面図と登場人物一覧の方が何度も見返して頭の中で整理することになりました。
登場人物はそれぞれ個性があり、自然と覚えましたが、本文を読みながら「誰々が○○の回路を通り✕✕へと向かう」等の位置説明があるたびに平面図のページを見返していました。でもそれも楽しいです。


犯人は振る舞いの怪しさと動機が思い当たることから「あの人かな」と予想はしていたのですが正にでした。
しかし犯人は予想通りだったにも関わらず、結末にはとても驚きました。
真相を知ってから読み返すと、この部分が伏線になっていたとは!という箇所がいくつも見つかります。


過去編は三人称で現在編は館の主人の一人称である点、脅迫文が書かれたメモ用紙が緑色であると明かされる時点に違和感がある点、緋色の絨毯を現在軸の主人が灰色と言う点…
現在軸の主人の言う「姿を消したあの男」が誰を指しているのか。


犯人も人生の歯車が狂ってしまったきっかけがあったとはいえ、手にかかった被害者達ほとんどが犯人の欲求のためやアクシデントから突然命を奪われたというのは悲しいです。
そして最後の数ページ、「真の意味での“幻視者”」の意味と絵画の描写にはゾクッとさせられました。


その後の登場人物達や館がどうなったのかとても気になりますが、あのシーンで物語が終わったことでラストシーンで犯人の受けた衝撃がより鮮烈に印象に残る終わり方でした。


館シリーズはどれもページ数が多いのでのんびり読んでいきます。

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