舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』感想
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』を観劇しました。
ストーリーのネタバレには極力触れずに感想を書いていきますが、舞台演出に関してのネタバレを含みます。
【目次】
あらすじ
ハリー、ロン、ハーマイオニーが魔法界を救ってから19年後、かつての暗闇の世を思わせる不穏な事件があいつぎ、人々を不安にさせていた。
魔法省で働くハリー・ポッターはいまや三人の子の父親。
今年ホグワーツ魔法魔術学校に入学する次男のアルバスは、英雄の家に生まれた自分の運命にあらがうように、父親に反抗的な態度を取る。
幼い頃に両親を亡くしたハリーは、父親としてうまくふるまえず、関係を修復できずにいた。
そんな中、アルバスは魔法学校の入学式に向かう
ホグワーツ特急の車内で、偶然一人の少年と出会う。
彼は、父ハリーと犬猿の仲であるドラコ・マルフォイの息子、スコーピウスだった!二人の出会いが引き金となり、暗闇による支配が、加速していく・・・。
引用:公式サイト
魅力的な魔法達
原作本や映画でお馴染みの魔法が目の前で繰り広げられます。
ポリジュース薬のシーンは近くに隠れられるようなセットもなく、舞台上に立ったまま別の役者さん達に入れ替わる演出に驚きでした。
そして複雑な呪文を詠唱しながらの戦闘シーン、実際に杖から閃光が走り、役者さんがワイヤーで飛び回りながら行われてとても迫力がありました。空中でのポージングや倒れるときだけスローになる体の動きまで凝られています。
全体感想
2016年に発売された脚本の書籍は未読で観劇しました。
アルバスのホグワーツ入学から4年生進級まではとても駆け足に進み、4年生でアルバスとスコーピウスが巻き起こす事件まで長い時間をアルバスとスコーピウスの描写に割かれます。
ハリー達親世代の出番は少なめなのかと思いきや、息子達とは別に集まって対策を練っていたり、親子関係に悩む心情を吐露するシーンがあったり、別行動をとっていた親子達が最終的には揃って闇の勢力に立ち向かう展開が熱かったです。
またシリーズ中の様々なキャラクターが出てくるので原作既読の方、映画視聴済みの方は楽しめること間違いなしです。
タイムターナーで時間を遡る行為の辻褄合わせはとても難しいことだったんだなと…、原作『アズカバンの囚人』でハーマイオニーが複数授業を同時に受講するために使用したり、ヒッポグリフを助けるために使用したのはとてもうまいことできたのだなと遅効性の驚きがありました。
『呪いの子』ではタイムターナー使用中のちょっとした出来事がバタフライエフェクトとなり全く違う未来が訪れてしまいますが、どの改変世界でもロンとハーマイオニーはお互いを思いあっているという結果になっているのが好きです。2回目の改変世界での二人が切ないです。
本来の未来と辻褄を合わせることができた最後のタイムターナー使用では、セドリックのことは結局残念な結果に終わるけれど、アルバスが「セドリックの父親はセドリックを愛している」ということを伝えることができたのが救いだったなと思いました。原作『炎のゴブレット』の描写の外ではあの出来事が起こっていたのだと願うことにします。
おしゃれなキャスト表
原作、映画のイメージそっくりだなと特に印象に残った方々、スネイプ先生/ダンブルドア先生(兼役)、嘆きのマートル、マクゴナゴル先生/アンブリッジ先生(兼役)。兼役の俳優さんは終演後にキャスト表を見るまで気がつかずギャップに驚きました。
一日二回公演、ダブルキャストでもあの舞台を長期間こなすのは重稼動だと思います。怪我や体調に気をつけて頂いて無事完走されることを祈ります。
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